解説2

飛躍できるか、プリンテッド・エレクトロニクス

「オン・デマンド印刷」の活用がカギに
NEレポート
論文

単眼カメラで実現する“ぶつからないクルマ”

Gideon Stein 氏
オランダMobileye社 Chief Research Scientist
實川 裕敏 氏
アイモバイル 技術・サポート担当
インタビュー

天災が問う存在意義、「違い」の追求で再生へ

小山 茂典 氏
NECトーキン 代表取締役執行役員社長
インサイド

東九州メディカルバレー構想
新産業創出のモデルとなるか

ドキュメンタリー

世界へ羽ばたく人材となれ

牧本次生 回顧録(最終回)
NEアカデミー
ICTを活用する交通安全対策(最終回)

モーション・センシング技術で
医療分野も安心・安全に

クローズアップ
  • モバイル:920MHz帯向け無線モジュール、M2Mなど新用途開拓へ各社が本腰
  • ディスプレイ:PixtronixのMEMSディスプレイ、Qualcommグループとして本格始動
  • デジタルヘルス:「標準化が今後のキーワード」、村田製作所の家木常務に聞く
技術者の本棚: 私はこう読む 『白物家電の神話』

冷蔵庫はなぜ白い?
表象文化論が暴く家電神話

キーワード

ヘッドマウント・ディスプレイ

編集長から

 近年、日本の研究開発投資は縮小傾向にあります。総務省の調査によると、2007年度には総額14兆円近くあった日本企業の研究開発費は、2010年度に約12兆円まで減りました。さらに研究開発の内容自体にも変化がみられます。企業の多くが事業に直結する短期的な研究開発を増やしているのです。特にエレクトロニクス産業でその傾向が強いといわれます。短期的な研究開発が増えると目先の売上増は期待できる一方、中長期的な研究開発がおろそかになって“将来の飯のタネ”がなくなってしまう…。このままでは、技術の優位性を失い「技術立国ニッポン」は崩壊しかねない状況です。

 こうした危機感から、産官学を挙げて研究開発のあり方を根本から見直す動きが始まりました。最終製品から部品、装置、材料までの層が集まる垂直連携型の共同研究開発体制を構築することで、新技術の実用化までの期間を一気に短縮するというものです。従来、共同研究といえば同業の企業などが組む水平連携型でしたが、限界が指摘されていました。従来の“ヨコの連携”ではなく、今後は“タテの連携”が鍵を握るでしょう。今号の特集は、垂直連携型の研究開発体制の特徴や、研究現場の実像をまとめました。

 最新号ではこの他、暗号技術および印刷由来の技術に関する解説記事を掲載しています。暗号技術の解説「国産暗号の危機」では、日本の暗号開発力に焦点を当てました。印刷由来の技術については、同技術を用いるデバイスがいよいよ実用化の時代を迎えていることを解説「飛躍できるか、プリンテッド・エレクトロニクス」でまとめています。

 インタビュー記事では、NECトーキンで代表取締役執行役員社長を務める小山茂典氏に登場いただきます。東日本大震災やタイの洪水での被災、円高などの影響を大きく受けた同社が、どのように再建しようとしているのかを聞きました。ぜひご一読いただければ幸いです。

 なお、日経エレクトロニクスでは、スマートフォンやパソコン、タブレット端末で本誌の記事全文が読める「日経エレクトロニクスDigital」を5月14日に始めました。特別割引キャンペーンは6月30日締切です。詳細とお申し込みは、http://techon.nikkeibp.co.jp/NED/s/entry/にございます。さまざまなシーンで日経エレクトロニクスをご活用ください。

日経エレクトロニクス編集長  大久保 聡

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