40nm世代のフラッシュ混載マイコンでルネサスとTSMCが協業

 「これまではマイコンを自前で生産するという意識が強すぎた」(ルネサス エレクトロニクス 執行役員 兼 MCU事業本部長の岩元伸一氏)。

 ルネサスは赤字体質のSoCに続き、稼ぎ頭であるマイコンについても、生産の外部委託を加速する。同社は2012年5月、40nm世代のフラッシュ・メモリ混載マイコン向け製造技術を台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.)と共同開発するとともに、同マイコンの生産をTSMCに委託すると発表した。車載マイコンも生産委託の対象にする。ルネサスは半導体全体の外部生産比率を2011年度の15%から2016年度に30%に高めるという。

国内工場は空洞化か

 国内メーカーのSoC事業では、巨額の設備投資に耐え切れず、生産を外部委託する動きが相次いでいるが、高い信頼性が求められる車載向けなどのマイコンでは、これまで生産の外部委託は難しいと考えられていた。ところが、「東日本大震災を機に状況が変わった」(岩元氏)という。

『日経エレクトロニクス』2012年6月11日号より一部掲載

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