写真の眼鏡は、眼鏡の街・福井県鯖江市に本社を置くボストンクラブの製品。価格はフレームのみで4万9350円(税込み)と、高級品だ。実はこの眼鏡は、飛行機のある部分を参考にして造られている。開発が進んだ段階で商品コンセプトを担う機能が実現できなかったとき、たまたま飛行機に詳しかった樹脂加工メーカーから助言を受けた。

 眼鏡の市場は、圧倒的な低価格を武器に中国製が席巻している。これに対して同社のチーフデザイナー笠島博信氏は「価格ではなく付加価値で勝負したい。そのために世界に通用する日本の良さは何かと考えた」。たどり着いたのが「長く付き合える信頼性や安心感」だった。

 このコンセプトの実現に飛行機のある部分が参考になったのだ。眼鏡と飛行機の接点はどこか。

〔以下、日経ものづくり2012年6月号に掲載〕