鴻海・シャープの提携を、台湾のリーダーに聞く

 「鴻海とシャープの提携のような、グローバル市場を見据えた台日連携はもっと進めていこう」。日本の経済産業大臣に相当する台湾行政院 経済部 部長のYen-Shiang Shih(施顔祥)氏は、インタビュー取材で自らこう切り出した。行政の責任者が、発表されたばかりの特定企業間の提携について言及することは珍しい。

 台湾では今、日本との連携への機運がかつてないほど高まっている。台湾Hon Hai Precision Industry社(鴻海精密工業、通称Foxconn)とシャープの提携について台湾のリーダーに聞いたところ歓迎一色だった。台湾のハイテク産業を支える企業・研究機関の集積地“サイエンスパーク”の責任者も「鴻海とシャープの協力が始まるのは良いこと」(南部科学工業園区 管理局 局長のChun-Wei Chen(陳俊偉)氏)と語る。

 シャープと競合するパネル・メーカーでさえ、鴻海とシャープの提携に好意的だ。「台湾と日本の協力関係を深めるためにも成功してほしい」(台湾AU Optronics社PresidentのPaul SL Peng(彭双浪)氏)、「株主の鴻海と顧客でもあるシャープが提携すれば、我々のビジネス・チャンスは増える」(台湾Chimei Innolux社President of Tainan siteのJyh Chau Wang(王志超)氏)と述べる。

『日経エレクトロニクス』2012年5月28日号より一部掲載

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