トヨタ自動車と米GM社を上回り、世界最大の自動車メーカーになるというドイツVolkswagenグループの野心を実現するための重要な要素となるのが、「MQB」である。
これは、様々な車種やブランドに対して横断的に使えるモジュール部品群で、同社の戦略の最新の要素である。MQBを導入するもう一つの目的は、グループの商品競争力、とりわけ生産量の多いBセグメントからDセグメントまでの横置きエンジン車の競争力を長期にわたって高い水準に保つことにある。
Volkswagenグループ内では、新しいMQBのほかに、ドイツAudi社が責任を負う縦置きエンジン車用のモジュール群である「MLB」、ドイツPorsche社が責任を負う後輪駆動車用の「MSB」がある。Volkswagen社はMQBと、同社の最も小さいモデルシリーズである「up!」やスペインSeat社の「Mii」、チェコSkoda社の「Citigo」などから構成される「New Small Family」の開発に責任を負う。
【欧州ジャーナリストの視点】世界の完成車メーカーの脅威になりそうなMQB、部品と生産工程を世界で標準化
フリーランス・ジャーナリスト Ian Adcock氏
以下、『日経Automotive Technology』2012年7月号に掲載
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