2012年5月に電動車両の国際シンポジウム兼展示会「EVS(Electric Vehicle Symposium)26」がロサンゼルスで開催された。米政府やカリフォルニア州の電動車普及戦略と、充電端子の標準規格化、トヨタ自動車が量産する「RAV4 EV」に注目が集まった。
米国のオバマ大統領は2012年3月、ガソリン車を代替する先進技術車を普及させることを目的とした「National Community Deployment Challenge」を発表した。10億ドル(1ドル80円換算で800億円)の予算で、地域の先進技術車向けインフラを整備し、これに当てはまる車両を購入する消費者に対する補助金も拡大するというもの。
インフラの整備では全米10~15のモデル地域で天然ガス車やその他の代替燃料車および電気自動車(EV)向けのインフラを拡大する。例えば天然ガスの充てん施設や充電器などが対象だ。消費者に対する補助金では、現在実施している所得税における優遇措置を延長し、EVなどを購入する際の補助金の上限7500ドルを1万ドルに引き上げる。
今回の補助金は総額が10億ドルとそれほど多くはないが、これまでにオバマ政権は、DOE(米エネルギ省)を窓口として巨額の融資を実施してきた。2009年2月にオバマ大統領が署名した「TheAmerican Recovery and Reinvestment Act 2009(以下ARRA)」では、総額367億1000万ドル(1ドル80円換算で2兆9368億円)の融資を承認。太陽光発電、Liイオン2次電池、EV向けのモータ・インバータ、フリート向けEV車両の開発などを手がけるメーカーを支援している(図)。