トヨタ自動車は小型乗用車の「カローラ」を全面改良して発売した。「ヴィッツ」などに使っている「Bプラットフォーム」を使い、カローラ史上初めて車体を小型化したのが特徴。セダン系には1.3Lエンジン搭載車を復活させ、市場の「ダウンサイジング」志向に応えた。

 新型カローラは、先代と同様にセダン系を「カローラ アクシオ」、ワゴン系を「カローラフィールダー」(図)として展開する。プラットフォームを従来の「MCプラットフォーム」からBプラットフォームに変更したのは5ナンバー枠を守りつつ、車体を小型化して取り回し性を向上しながらも、室内空間はむしろ広げるのが目的。このためには、ヴィッツや「ラクティス」などに使っているBプラットフォームが適していると判断した。
 新型カローラの車体サイズはセダン、ワゴンとも4360mmと、セダンで50mm、ワゴンで60mm、従来の車種よりも短くした。全長を短くするのは、カローラの全面改良で初めてだという。一方で、ホイールベースの2600mm、リアオーバーハングの920mmは、従来型車と変わらず、短くしたのはもっぱらフロントオーバーハング。セダンで50mm、ワゴンで60mmと、ちょうど全長の短縮分、短くなっている。Bプラットフォームを採用することにより、エンジンルームを小型化できるようになったためだ。
 全長を短縮しながら、居住性はむしろ向上している。アクシオの場合、ユーザーの年齢層の中心が50~60歳代であるのに対応して、乗降性を向上させるために、前席で10mm、後席で25mm、ヒップポイントを高くした。それでもヘッドクリアランスは犠牲にしておらず、前席でセダン、ワゴンとも75mmと10mm増え、後席でもセダンで25mm、ワゴンで40mmと従来型車並みを確保している。

以下、『日経Automotive Technology』2012年7月号に掲載
図 ワゴンの新型「カローラ フィールダー」
図 ワゴンの新型「カローラ フィールダー」
バックドアを樹脂製としたのが特徴。