ロボット掃除機は“表の顔”

 予想を超える液晶テレビの価格下落や需要低下などに巻き込まれ、2011年度に3760億円という過去最大の最終赤字を計上したシャープ。その同社が、「脱安売り」を目指して新戦略を展開する。インターネット上のサーバー(クラウド)と家電を連携させることにより、ユーザー側で必要に応じて機能を追加できる“進化する家電”を提供する。

 第1弾となるのが、2012年6月上旬に国内で発売するロボット掃除機「COCOROBO(ココロボ)」である。順次、中国とASEAN(東南アジア諸国連合)地域でも発売する。

自宅の様子を外出先で見られる

 COCOROBOは米iRobot社のロボット掃除機「Roomba(ルンバ)」などと同様に、自走と掃除の機能を備える。競合品との大きな違いは、カメラやマイク、スピーカーといった入出力デバイスを備え、無線LAN通信機能を介してそれらをクラウドと連携させられることだ。各種のアプリケーション・ソフトウエア(以下、アプリ)を実行可能な環境も備える。これらの点から、掃除機というよりも“クラウドと連携するロボット家電”との意味合いが強い。

『日経エレクトロニクス』2012年5月14日号より一部掲載

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