特集

すべての機器にTSV

縦積みチップで価値を生む
解説2

任天堂の闘い スマホ、ソーシャルに挑む

ゲーム人口拡大から“ゲーム接触時間”の拡大へ
NEレポート
  • シャープと鴻海が資本提携、堺の液晶工場を共同で運営
    鴻海がシャープの筆頭株主に、幅広い分野で協業
  • 1クリック特許が日本で成立、携帯端末ビジネスに影響か
    2018年9月まで有効、無視できない存在に
  • ソニーが東京医歯大と連携、医療事業強化に向け人材育成
    映像技術を生かした「医療の可視化」の共同研究も
  • 日本の3社が事実上、世界初に、自動車機能安全のプロセス認証
    東芝、パナソニック、ヴィッツが「ISO 26262」で共同取得
  • ロームが産業機器向けに、フルSiCモジュールを量産
    空調や鉄道分野などで適用広がる
  • グラフェンが蓄電池の電極に、光ディスク装置で“量産”可能
    高い出力密度と高いエネルギー密度を同時に実現
論文

圧縮率は「H.264」の2倍、超高精細やスマホを視野

動画圧縮技術の次世代国際標準「HEVC」
鈴木 輝彦 氏
ソニー システム&ソフトウェアテクノロジープラットフォーム 共通要素技術部門 信号処理技術1部 主任技師
インタビュー

あれ? と驚く技術で
青森から次の産業を興す

三村 申吾 氏
青森県知事
ワールド・レポート from 中国

中国が発電量で世界一に
再生可能エネも急拡大

ドキュメンタリー

まだやり残したことがある

個人向け放射線量計「エアカウンター」の開発(最終回)
NEアカデミー
技術者のための交渉術(最終回)

アジアでのビジネスの進め方
各地域の気質や習慣に留意しよう

クローズアップ
  • クルマ:SIM-Driveが試作EVの第2弾を披露、351kmの走行距離を達成
  • 部品/部材:パナソニックやトヨタ自動車が上位、ワイヤレス給電の特許力を調査
  • 組み込みソフト:激安スマホはWebアプリで作る、MozillaのB2GをTelefonicaが採用
技術者の本棚: 著者に聞く

じっくりと観察・分析し
新たな仮説を生み出す

『ビジネスマンのための「行動観察」入門』
キーワード

ゲーミフィケーション

編集長から

 トランジスタの集積度が微細化によって1.5~2年で2倍に高まるという「ムーアの法則」に従い、進化してきた半導体。製造技術を微細化すれば、低コスト化と高速化、低消費電力化を同時に達成できるとされてきましたが、2000年代初頭ごろから微細化の神通力が薄れ始めました。微細化によってLSIの集積度を高められることは変わらないものの、性能向上のペースは以前に比べて鈍り、消費電力に至っては逆に増えてしまいかねない状況です。

 こうした閉塞感に覆われる微細化に代わり、半導体の技術進化を今後牽引するのが、TSVをベースとしたチップ統合技術です。TSVとはthrough silicon viaの略で、半導体のチップを上下に貫通するビア(電極)のこと。これまで製造技術の微細化により1チップに詰め込んできた機能を、今後は複数のチップに小分けし、チップ間をTSVなどで接続すれば、大幅な性能向上が見込めます。高速化と低消費電力化、高集積化をいずれも満たす中核的な実現手段として位置付けられており、半導体の作り手のみならず、機器メーカーなどの半導体の使い手にとってもTSVは機器の今後の性能を見通す上で目が離せない技術といえます。今号の特集では、適用範囲拡大に向けて大きく動き出したTSVの実情と今後の方向性を解説しています。

 最新号ではこの他、人気コラムの分解記事を掲載しました。今回分解した機器は、米Apple社のタブレット端末「iPad」の最新機種。分解から明らかになったことは、解説「画面くっきりの新iPad、中身はどう変わったか」にまとめています。さらに、売上高が全盛期の約1/3に落ち込むなど苦境にあえぐ任天堂について、同社の今後の方向性を探った解説「任天堂の闘い、スマホ、ソーシャルに挑む」を掲載しました。インタビュー記事では、青森県知事の三村申吾氏に「青森ライフイノベーション戦略」の狙いなどを聞きました。青森ライフイノベーション戦略とは、医療・健康・福祉関連分野を次世代の産業の柱として育成するというものです。青森県の強みがどのように生かされるのかを語ってもらいました。ぜひご一読いただければ幸いです。

日経エレクトロニクス編集長  大久保 聡

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