HEVやEV、PHEVでは、駆動系だけでなく、各種の機能が電気で動く。DC-DCコンバータは、それらの機能に最適な電力を供給する役割を果たす。まさに心臓部だ。今回は、そのDC-DCコンバータの現状を解説する。

 ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)において、ガソリン車における発電機(オルタネータ)と同じ役割を果たすのがDC-DCコンバータである。
 自動車の推進力を得るモータを駆動するために必要な電圧を作り出すのはインバータ(DC-ACコンバータ)である。DC-DCコンバータは、電動ミラーやヘッドライト、エアコン、リアウインドーのヒータ、カー・ナビゲーション・システムなど、さまざまな電気/電子機能の駆動に必要な電力を作り出す。「現在は自動車の電装化が急速に進んでいる。このため、HEVやEV、PHEVにおけるDC-DCコンバータの重要性は高まる一方だ」(TDKパワーシステムビジネスグループEV電源BU製品開発グループ主幹の佐藤国広氏)という。

以下、『日経Automotive Technology』2012年5月号に掲載