急速に工業化が進むインドでの事業を拡大しようと、FA機器メーカーが相次いで生産拠点の強化に動いている(図)。

 三菱電機は、2012年4月にインドのFA機器メーカーMESSUNGグループを三菱電機グループの現地法人Mitsubishi Electric India社に統合して同国でのFA事業を強化する。MESSUNGは、自社製のPLCや表示器を製造・販売するメーカーであると同時に三菱電機のFA機器販売代理店でもあった。三菱電機は2011年12月に、インド市場でのFA事業の売上高を2015年度に150億円とする計画を発表しており、今回の買収はその一環。MESSUNGグループを空調システムやFA製品、パワー半導体、映像情報機器などを販売する現地法人に統合することで、PLCやインバータの現地シェアを拡大するのが狙いだ。

 当面、現地で製造するのは従来通りMESSUNGブランドのローエンド製品だが、2013年1月からは三菱電機ブランドのインバータの製造も始める予定。その後は第2ステップとしてPLCや表示器などの製造も計画しており、インドでの三菱ブランドの浸透を図る。MESSUNGブランドと併せて現在10%程度のシェアを、2015年には20%にまで高めたいとしている。

〔以下、日経ものづくり2012年3月号に掲載〕

図●日本のFA機器メーカーのインド進出拠点
三菱電機は中西部のプネに、安川電機は南部のバンガロールにFAの拠点を置く。いずれも近郊のムンバイやチェンナイも含めて自動車などの産業が盛ん。オムロンはニューデリー近郊のグルガオンに、FAも含めたインドの現地法人を構える。