通信障害の原因はAndroidアプリの制御信号

 NTTドコモの携帯電話網で2012年1月25日、大規模な通信障害が発生した。東京都内において4時間以上にわたり、最大252万人の携帯電話機で音声通話やデータ通信がつながりにくい状態が続いた。

 今回の障害の原因はNTTドコモが、増加するスマートフォンに対し、通信パケットの振り分けを行う「パケット交換機」の処理能力を見誤ったことにある。きっかけは、同社が24日深夜から25日未明にかけてパケット交換機7台を新型機3台に切り替えたこと。3G通信では、端末がネットワークに接続・切断する際に多数の制御信号を送受信する。同社は1時間あたり交換機に届く制御信号の数を「1200万回」と見積もり、新型交換機に「1410万回」の処理能力を持たせていた。ところが実際に運用を開始すると、「1650万回(同社推定)」の制御信号が発生。制御信号の輻輳が起き、自動的に通信規制がかかった。

『日経エレクトロニクス』2012年2月20日号より一部掲載

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