Liイオン2次電池を自動車に使う上で、最も重要なのが安全性の確保である。電池パックを量産している三菱自動車は、電池パックに4本の太いフレームを使って衝撃に強くし、3種類のコンピュータで監視するシステムを組んだ。さらに生産ラインでは全数に対して品質検査をしている。(本誌)

 電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)に盛んに使われ始めたのがLiイオン2次電池である。最大の特徴はエネルギ密度が大きいこと。Ni水素2次電池と比べて約2倍である。このためEVやHEVを小さく軽くしやすい。
 当社はLiイオン2次電池を搭載したEV「i-MiEV」を2006年に発表し、2009年から量産を始めた。最近では同じ電池を商用の軽EV「MINICAB-MiEV」にも採用して量産規模を拡大している(図)。
 Liイオン2次電池は大きなエネルギを蓄えた塊と言えるが、最近自動車に使えるようになったのは高い安全性を確保できたからだ。衝突や振動、衝撃などに強い構造とし、電気的に電池を守る仕組みを何重にもわたって構築した。

以下、『日経Automotive Technology』2012年3月号に掲載
図 Liイオン2次電池の採用を拡大している
(a)「MINICAB-MiEV」に採用した。(b)電池パックの外観。