2012年1月9日に米デトロイトで開幕した「2012 North American International Auto Show(デトロイトモーターショー)」(図)。最大市場は中国に奪われたものの、昨年1275万台を記録した第2位の市場規模を反映して、各自動車メーカーが多くの新型車を出展した。最大の注目はホンダやトヨタ自動車が展示したハイブリッドのスポーツ車だった。

図 「デトロイトショー」の会場
会場規模は東京モーターショー並みであるが、新型車の発表件数は多かった。

 2011年11月の東京モーターショーから2カ月たって開幕したデトロイトショーでは、多数の新型車が登場した。トヨタ自動車、ホンダらのハイブリッド先行メーカーに対し、欧米メーカー各社が普及版ハイブリッド車(HEV)を強化し始めた。さらに量産車でプラグインハイブリッド車(PHEV)を投入することを表明したメーカーも増えた。電気自動車(EV)で先行する日産自動車と米Tesla Motors社は新モデルを展示、米国メーカーは小型車に力を入れ、セダンやSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)を並べるなど中身の濃いショーとなった。
 開幕初日に、ひときわ注目されたのがホンダの新型スポーツカー「Acura NSX」コンセプトの発表である。1990年に登場した先代NSXは2005年に生産が中止となった。その後、2007年のデトロイトショーで次期NSXのデザインスタディとなる「Acura Advanced Sports Car」コンセプトを発表し、量産車開発がスタートしたのも束の間、リーマンショックの影響で、F1の撤退とNSXの開発中止に追い込まれたのだ。

以下、『日経Automotive Technology』2012年3月号に掲載