前回までの幕張メッセから東京ビッグサイトに開催場所を移し、24年ぶりに都内で開かれた「第42回東京モーターショー2011」。海外メーカーもドイツ、フランスの海外メーカーが復活し、出展社数は増えた。しかし、市販予定の新型車は少なく、販売店が集合したような印象は否めなかった。

図 都内に戻ってきた東京モーターショー
10日間の開催で前回の61万人を大幅に上回る84万人が来場した。

 出展ブランド数は129から176に、展示面積は2万1823m2から3万5151m2に――。2009年の前回に比べてそれぞれ36%増、61%増で開催された今回の東京モーターショーは、総来場者数も84万2600人と、前回の37%増しで幕を閉じた(図)。数字だけ見ると大成功だが、トヨタ自動車のスポーツ車「86」や小型HEV(ハイブリッド車)「アクア」など以外に、市販予定の新型車は少なかった。あえて注目分野を挙げるとすれば、「プリウスPHV」を筆頭にPHEV(プラグインハイブリッド車)が市販に向けて多く登場したことだろう。
 HEVが一般化し、EV(電気自動車)も登場するなど、電動車のラインアップは増えている。これに加えて、今回のモーターショーでは両者の特性を持つPHEVが注目を集めた。トヨタはモーターショー直前にプリウスPHVを2012年1月から320万円で発売すると発表。いよいよ一般ユーザーがPHEVを購入できるようになった。

以下、『日経Automotive Technology』2012年3月号に掲載