富士重工業は2011年12月、「インプレッサ」を全面改良した。新開発の水平対向エンジンやアイドリングストップ機構を採用して燃費を高めた。価格は154万円からで、販売目標台数は月2200台である。
1992年に初代を発売して以来、今回の全面改良で4代目になる。5ドアハッチバックの「スポーツ」と、4ドアセダンの「G4」がある。
エンジンは2種類で、新しく開発したのが排気量1.6Lの水平対向エンジン「FB16」である。エンジン単体の燃費を従来の「EL15」と比べて10%以上高めたのが特徴だ。この効果に加えてアイドリングストップ機能の採用や車体を軽くしたことで、FB16を搭載した車種の燃費は先代の同クラスの車両と比べて約20%高められた。JC08モードで17.6km/L、10・15モードで20.0km/Lを達成する。
エンジンの燃費を上げるためにシリンダのストローク(行程)を82mmと、EL15の79mmから長くした(図)。このままだと出力が低くなるので排気量をEL15の1.5Lから増やして全域で出力を上げている。
また吸気側の空気の流れを調整してタンブル流をつくるため吸気ポートに立てた壁を、EL15と比べて吸気口付近まで伸ばしてタンブル流をつくりやすくした。空気と燃料が混ざりやすくなり、燃焼が速くなる。ただ、吸気ポートの壁を伸ばすと空気抵抗が大きくなる。そこで、壁を薄くして抵抗を小さくした。そのために壁を板金加工品にして吸気ポートとは別に造った。従来は吸気ポートと壁は一体の鋳物で、薄くしにくかった。