トヨタ自動車は2011年12月、JC08モード燃費が35.4km/L(「L」グレードでは10・15モード燃費が40km/L)と国内最高となるハイブリッド車「アクア」を発売した。価格を169万円からと低く設定し、月間1万2000台の販売を狙う。

 アクアは「ヴィッツ」と同様の「Bプラットフォーム」をベースに開発したハイブリッド車で、排気量1.5Lの「1NZFXE」エンジンに、シリーズパラレル方式のハイブリッドシステムを組み合わせる。アクアの名前は日本向けで使い、海外向けは「Prius c」となる。
 ハイブリッドシステムは、「プリウス」の「THS II」の設計思想を踏襲しつつ、アクア専用に開発した。小型車であるアクアには、プリウスのシステムは収まらなかった。そのため、小型化が開発の最優先課題だった。
 エンジン、トランスアクスル(モータと変速機構)ともに現行プリウスのハイブリッドシステムと比べて小さく、軽くした。アクアのエンジンは、プリウスに比べて長さ(車体に横置きした場合の幅)が51mm短く、トランスアクスルの長さも21mm短い。また、Ni-MH(ニッケル水素)2次電池モジュールは11.0kg軽くした(図)。

以下、『日経Automotive Technology』2012年3月号に掲載
図 ハイブリッドシステムの比較
左が「プリウス」用、右が「アクア」用。アクア用は、エンジンが51mm短く、16.5kg軽い。モータと変速機構のトランスアクスルは21mm短く、8.0kg軽い。Ni-MH(ニッケル水素)2次電池モジュールは148mm短く、11.0kg軽い。アクア用のモータは、角断面の巻き線を使った新構造とし、コイルエンドを小さくした。
[画像のクリックで拡大表示]