脳波を計測することで補聴器を最適に調整
(写真:パナソニック ヘルスケア)

 パナソニックは、脳波を利用することで補聴器のゲイン(最大音量)を個人ごとに自動調整できる技術を開発した。同社が独自に開発した特殊な検査音を約5分間、ユーザーに聞かせ、その際の脳波を解析することで、ユーザーの最大許容音量を高精度に推定できる。

 従来、補聴器の調整は販売店での手動による調整が必要で、ユーザーの約6割が来店による再調整を4回以上実施するなど、導入する上での負担が大きかった。今回の技術を用いれば、補聴器を高精度かつ短時間で自動調整できるようになる。

 同社は子会社のパナソニック ヘルスケアで補聴器事業を手掛けており、今回の技術は臨床での評価を経て、2015年に実用化する予定である。医療機器として薬事法の規制を受ける補聴器自体に組み込むのではなく、販売店向けの調整ツールとして実用化する形だ。

『日経エレクトロニクス』2011年12月26日号より一部掲載

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