風力発電設備の大型化を加速させる技術が開発された。三菱重工業の油圧式動力伝達機構である(図)。洋上の風力発電設備に使う。

 風力発電は陸上での設置が進み、それ以上の拡大の余地が少なくなってきたことから、洋上での発電が注目されている。三菱重工業の開発している洋上風力発電設備は、海底に造った基礎に風車を設置する着床式。設置場所が海であるとはいえ、陸上の施設で培った多くの技術が生かせる。しかし、陸上とは大きな違いが1つある。大型化が可能なため出力が格段に高いことだ。

〔以下、日経ものづくり2012年1月号に掲載〕

図●油圧式動力伝達機構のイメージ
油圧ポンプで油圧モータを駆動し、発電機を回して発電する仕組み。ここでは油圧ポンプ1台に対して、油圧モータ、発電機をそれぞれ2台組み合わせている。