キユーピーの五霞工場(茨城県五霞町)は、同社の主力工場の1つ。2010年に仙川工場(東京都調布市)の機能を移転し、東日本におけるマヨネーズ生産を一手に担っている。2011年3月には低カロリータイプの製品「キユーピーハーフ」(以下ハーフ)を生産する新工場(ハーフ棟)が本格稼働した(図)。

 消費者の健康志向の高まりを受けてハーフを中心とした健康訴求タイプのニーズは年々増しており、既に同社のマヨネーズの全生産量の1/3ほどを占めている。こうした需要増に応えるために新設したのがハーフ棟だ。ただし、工場建屋こそ新設したものの生産設備に投資する余裕はなく、ほとんどを仙川工場から移設してそのまま使っている。20年以上稼働している設備も珍しくない。同じ設備を使いながら、厳しい衛生管理をクリアし、いかに生産性を高められるか。これがハーフ棟新設に当たっての課題だった。

〔以下、日経ものづくり2012年1月号に掲載〕

図●ハーフ棟と加工工程を流れるボトル
カロリーを半減させた「キユーピーハーフ」を生産するハーフ棟(a)。(b)はカップに収まってライン上を流れる空のボトル。