生物の形状をそのまま転写することで、既存の方法では実現できなかった部品を造ろう──。生物をひな型とするものづくり「バイオテンプレート」の研究が活発になっている。

 その1つが、自然界に存在するらせん形状を使って微小なコイルを造る取り組みだ。東京工業大学資源化学研究所助教の鎌田香織氏と大学院生の鈴木壮一郎氏、藤森貴大氏らの研究グループが開発に成功した。

 微小コイルは周波数が1THz前後の電磁波を吸収・遮蔽する材料としての活用が期待されている。従来は気相成長法で作製した炭素の析出物などを活用する方法が考えられていたが、安定した形状を効率的に成長させるのは難しく、コストも高かった。

〔以下、日経ものづくり2011年12月号に掲載〕