写真:栗原克巳

 おかげさまで、2008年11月に発売したデジタルメモ「ポメラ」が大ヒットしました。キャッチフレーズは「いつでもどこでもすぐ『メモる』」。電源を入れるとたった2秒で起動しますから、会議中でも移動中でも、はたまた外出先でも大事なことや思い付いたことをすぐにメモできます。

 そんなポメラを、私は開発部門の責任者という立場で世の中に送り出しました。最近、つくづく思うんです。ポメラが「(キングジムにおける)1つの解」ではないか、と。

 キングジムはファイルの会社というイメージが強いと思いますが、意外にも、創業者の宮本英太郎はいわゆる町の発明家だったんです。そのためか、宮本は「人の物マネをするな」と、すごくオリジナリティーを大切にしました。
〔以下、日経ものづくり2011年12月号に掲載〕(聞き手は本誌編集長 荻原博之)

亀田 登信(かめだ・たかのぶ)
キングジム 執行役員 開発本部副本部長
1963年1月東京生まれ。1985年3月明治大学法学部卒業。同年4月キングジム入社、5月商品開発部に配属。1986年同社で電子文具開発プロジェクト「Eプロジェクト」が発足し、プロジェクトメンバーとして「テプラ」の開発を担当。2007年6月電子文具開発部部長、2011年6月執行役員開発本部副本部長に就任、現在に至る。