第18時限(2011年9月号)から、代数の分野でも現実社会でバッチリ使える「回転」について取り上げています。今回は、幾度となく予告してきた「西成秘伝のスーパー公式」を大公開いたしますよ~。せっかくですから、「今回から読み始めた」という方にもご理解いただくために、回転の基礎知識をササッとおさらいしておきましょう。
ある座標上に点(x,y)を取り、原点Oを中心として反時計回りにθだけ回します。回転後の位置を(X,Y)とすると、(x,y)に回転行列を掛ければ(X,Y)を求められました。では皆さん、回転行列というのは?
(生徒たちに問うと、数人が声を上げる)
「sc-sc(エス・シー・マイナス・エス・シー)」
正解! 左下から時計回りにsc-scと覚えて、上の行がcosθと-sinθ、下がsinθとcosθの行列になります。
そして、行列を使わずに回転後の位置を算出できる「神業」が、複素平面を用いる方法でした。複素平面の世界では、点の位置を(x+yi)と表します(i は虚数単位)。これにeiθを掛け算しても回転後の位置が求められます。
そして3次元の回転を学んだわけですが、その復習がてら、ジャイロ効果についてワンポイント解説します!
〔以下、日経ものづくり2011年11月号に掲載〕
東京大学 先端科学技術研究センター 教授