イーメックス(本社大阪府吹田市)は、60~80Wh/kgのエネルギ密度を持ちながら数分で充放電が可能な7000W/kgという出力密度も併せ持つ、導電性高分子膜を用いた蓄電デバイスを開発した(図)。出力密度は電気2重層キャパシタ(EDLC)以上で、エネルギ密度は「電気自動車(EV)に使われているLiイオン2次電池(LIB)と同程度」(同社代表取締役の瀬和信吾氏)としている。実用化されれば、急速充放電が可能な電池の実現が期待できる。充放電サイクルにも優れており、同社の評価では1万回以上の充放電を繰り返しても性能の劣化が小さく、長寿命だという。

〔以下、日経ものづくり2011年11月号に掲載〕

図●イーメックスが開発した「キャパシタ電池」の試作品
導電性高分子膜から成る正極と炭素系材料(もしくは金属リチウム)の負極で構成する。写真は、3つのセルを直列接続したもの。