SIM-Drive 車輌開発統括部長兼車輌試作評価室長 眞貝知志氏
トヨタ自動車でエンジン生産技術の先行開発を手がけたのちにSIM-Driveに転じ、先行開発第1号車「SIM-LEI」の開発責任者を務めた。

 慶應義塾大学環境情報学部教授の清水浩氏が社長を務めるEV開発ベンチャーのSIM-Driveは、2009年の設立後、最初の成果といえる先行開発第1号車「SIM-LEI(Leading Efficiency In-wheelmotor)」を、2011年3月末に完成させた。この開発のとりまとめ役として働いたのが同社で車輌開発統括部長と車両試作評価室長を兼任する眞貝知志である。

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 眞貝は、1978年生まれの32歳という若いエンジニアである。慶應義塾大学で清水教授が担当する政策メディア研究科の修士課程を修了し、トヨタ自動車に入社したが、のちにSIM-Driveに転職したという経歴の持ち主だ。
 「大学に入学した1997年は、インターネットやITという言葉が一般化してきたころで、慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスは、その最先端にありました。私はそのはやりものに飛びついて、システムエンジニアか何かになって華々しく活躍するようなイメージを、入学当時は漠然と持っていました」

以下、『日経Automotive Technology』2011年11月号に掲載