トヨタ自動車は2011年9月、新型「カムリ」を国内で発売した。北米では排気量2.5L、3.5Lのガソリン車、排気量2.5Lのハイブリッド車を用意するが、日本ではハイブリッド車のみを販売し、価格は304万円からとなる(図)。

 先代のカムリは国内で排気量2.4Lのガソリン車だけを販売していた。2006年に発売した当初の月間目標販売台数は1000台と、全世界で年間50万台の販売を予定する基幹車種としては、日本での販売は極端に少なかった。
 今回はより高価なハイブリッド車だけを導入するため、目標販売台数は500台とさらに少ない。国内向けは堤工場で造るが、生産台数の少なさはコストにもはね返った。
 米国ではハイブリッド車の廉価モデル「LE」が10個のエアバッグ、クルーズ・コントロール・システムなどを標準装備しながら2万5900ドル(1ドル77円換算で199万円)であるのに対し、国内ではエアバッグが7個でクルーズコントロールなしの廉価モデルが304万円から。価格差が100万円以上ある上、装備も劣っている。円高の影響を割り引いてもこの価格差は大きすぎるだろう。

以下、『日経Automotive Technology』2011年11月号に掲載
図 トヨタ自動車の「カムリハイブリッド」
国内ではハイブリッド車のみ発売する。