事業に直接つながる研究開発を重視している点は評価できるが、基礎研究が手薄で将来の事業展開に不安が残る──本誌の調査から、多くの技術者や研究者らが、自社の研究開発の進め方にこうした思いを抱えていることが分かった。

 「ここ5年で研究開発のテーマ内容は変化しているか」との問いに、半数近くが「基礎研究よりも応用研究や開発の割合が高くなっている」(49.0%)と回答している(Q1)。特に大企業ほどその傾向は強く、従業員数1万人以上の場合は6割以上に上った。

 次いで多い回答は「あまり変わっていない」(34.9%)というもの。「基礎研究の割合が高くなっている」との回答は、全体では6.0%、従業員数1万人以上の場合は3.6%に過ぎない。基礎的な研究よりも、現行の製品や直近の事業にすぐに役立つ事業直結型の傾向になっている実態がうかがえる。

〔以下、日経ものづくり2011年10月号に掲載〕

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