中小型パネルでシェア首位に

 東芝と日立製作所、ソニーは、子会社が手掛ける中小型パネル事業を統合する。官民ファンドである産業革新機構が中心となり、2012年春に4社で新会社「ジャパンディスプレイ」を設立する。統合後の市場シェアは、2010年における合算値で21.5%。シャープを抜いて、世界最大の中小型液晶パネル・メーカーが誕生することになる。

 今回の事業統合を主導した産業革新機構で代表取締役社長を務める能見公一氏は、「中小型パネルは高成長が期待できる市場であり、日本メーカーの技術的優位性が生かせる千載一遇のチャンス」と、新会社に自信を見せる。経営トップには、企業の統合に関わった経験があり、かつ技術開発や営業に精通する人材を外部から招聘し、「スピード感のある経営を実現する」(同氏)考えだ。

 さらには、産業革新機構が出資する約2000億円の資金を活用して新たな製造ラインを立ち上げる。有機ELパネルやフレキシブル・パネルといった次世代技術の開発にも積極的に取り組んでいくという。2016年3月期には、売上高で2011年3月期における3社の合算値の1.3倍となる7500億円に拡大する計画である。

『日経エレクトロニクス』2011年9月19日号より一部掲載

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