東日本大震災で東京電力の福島第一原子力発電所が事故を起こして以降、日本ではにわかに放射線量計に注目が集まっています。特に電子式個人線量計は、テレビ番組などで「ガイガーカウンター」としてよく取り上げられているため、一般の人にも広く知られるようになりました。
実は、私はX線を使った検査装置の販売も手掛けているのですが、展示会で商品の説明をしていると、多くの人から「X線検査装置よりもガイガーカウンターを造った方が儲かるんじゃないの?」と言われます。検査装置に付いている電子式個人線量計だけを販売してほしいと言う人もいるほどです。茶葉から牛肉、そして米へと放射能汚染問題が広がっている現在の日本で、そうした声が上がるのは理解できます。しかし、その一方で計測器の正しい使い方を知っている人が極めて少ないのも事実です。
〔以下、日経ものづくり2011年9月号に掲載〕
技術者・海外進出コンサルタント