FCCが利用を推進

 無線LANを手掛ける欧米の半導体メーカーや機器メーカーの間で、テレビ放送の空き周波数を新たな無線サービスに活用する「TVホワイトスペース」に向けた取り組みが活発になっている。

 標準化団体の米IEEE802委員会は2011年7月、TVホワイトスペース利用に向けた広域無線通信規格「IEEE802.22」を正式承認した。同委員会でTVホワイトスペース利用を前提とする規格が成立したのは、今回が初めて。さらに、同月末には、TVホワイトスペース利用の近距離無線方式を策定する作業部会「IEEE802.15.4m」(タスク・グループ4m)が立ち上がった。これで、同委員会におけるTVホワイトスペース関連の規格を策定する作業部会は、無線LAN向けの「IEEE802.11af」などを含め、四つにまで拡大している。

テレビの空きチャネルを有効利用

 米国におけるTVホワイトスペースとは、米連邦通信委員会(FCC)が規定したもので、地上デジタル・テレビ放送などの空きチャネル(50M~700MHz帯などの帯域)を有効活用するためのルールである。デジタル・テレビ放送やワイヤレス・マイクなどの優先サービスが利用していない場合、空き帯域を無免許で利用できる。利用する際は、周波数の空き具合を管理するデータベースに端末がアクセスすることで、利用可能な周波数を把握しなければならない。このため端末には、位置情報に基づくデータベース・アクセス機能の搭載が求められている。

『日経エレクトロニクス』2011年8月8日号より一部掲載

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