米R.L.Polk社は、2010年の米国ハイブリッド車(HEV)市場の調査結果を報告した。HEVの登録台数は23万6000台で、全体に占めるシェアは2.6%となり、2009年の2.9%から0.3ポイント下がった(図)。米国でHEVのシェアが前年から下がったのは初めて。要因としてPolk社は、ガソリン価格の安定および、低燃費のガソリン車の増加を挙げる。
 これまでHEVのシェアは、ガソリン価格の変動に応じて推移してきた。ガソリン価格の変動が大きくなるとHEVのシェアが高まり、変動が小さくなればシェアが下がるといった形である。例えば、2008年前半にガソリン価格が1ガロン当たり4ドル近くに急上昇した際、HEVのシェアは3.0%と最高値に達した。それが2008年後半から2009年初頭にかけて2.0ドルを割るまでに急激に下がると、HEVのシェアは2.2%に低下した。2009年の場合はガソリン価格が比較的安定していたにも関わらずHEVのシェアが伸びているが、これはトヨタ自動車の「Prius」の全面改良による新車効果の影響が大きい。

以下、『日経Automotive Technology』2011年9月号に掲載
図 米国自動車市場におけるHEVのシェア
2010年に初めてシェアが低下した。(出典:米R.L.Polk社)