非接触給電システムの開発が活発だ。ケーブルなしで車両に充電でき、利便性を高められる。昭和飛行機工業は、数十kWと大きな電力を90%超の高い効率で伝送する技術を開発した。コイル間の結合係数を高めて共振回路を組み、コイルの電線の抵抗を抑えるなどして実現した。さらに小型軽量化に向けて円形のコイルコアを使った。(本誌)

 非接触給電システムは、金属の接点やコネクタなどを介さずに電力を送れる技術である(図)。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)にケーブルを使わず充電できるため、最近は多くの自動車メーカーなどが技術開発に取り組んでいる。当社は2005年ごろから非接触給電システムの開発を始めた。現在ではEVに限らず、産業用途向けにも開発している。

以下、『日経Automotive Technology』2011年9月号に掲載
図 車両向けの非接触給電システムを開発中
1次コイルに電流を流すと磁束が変化し、その変化に応じて2次コイルに誘導電流が発生する。