「iPhone」でカーナビを操作できるアプリ「NaviCon」。iPhoneを“リモコン”として使い利便性を高める。その上でデンソーは他社のアプリへの対応に積極的である。NaviConをカーナビとWebをつなぐ“ハブ”にすることを狙っている。

 デンソーは、車載カー・ナビゲーション・システムと米Apple 社のスマートフォン「iPhone」を連携させる無料のアプリケーション「NaviCon」を開発した。デンソーの市販カーナビに対応する。特徴は、iPhoneを車載カーナビのユーザーインタフェース(UI)として活用する点にある(図)。例えば、ユーザーがiPhone にダウンロードしたNaviConを起動して地図画面を移動させると、それと連動してカーナビの地図画面も移動する。また、NaviConで目的地を設定すると、それがカーナビに反映される。つまりiPhoneが、カーナビを操作する“リモコン”になる。
 デンソーはUIという点で、カーナビよりiPhoneが優れると考える。カーナビの場合、必要最小限の性能のCPUやメモリー容量で、信頼性と安全性を重視しつつ動作できるように「ギリギリの設計」(デンソー)をする。このため、UIに割けるCPUの演算性能やメモリー容量には限界があるという。

以下、『日経Automotive Technology』2011年9月号に掲載
図 米Apple社の「iPhone」でカーナビ画面を操作
iPhoneの画面を指でなぞると、カーナビの地図画面が移動する。