2010年10月、マツダは次世代技術「SKYACTIV」を発表した。これは、圧縮比を世界一の14.0にまで高めたガソリン直噴エンジンと、世界一の低い圧縮比14.0を実現したクリーンディーゼルエンジン技術を中核に、高効率や小型・軽量化を追究した変速機、軽量化と高剛性化を両立した車体、乗り心地と操縦安定性を向上させた軽量シャシー技術など、マツダの新世代技術の総称である。
このSKYACTIVの商品化第一弾となる部分改良した「デミオ」が、2011年6月に発売された。「SKYACTIV-G 1.3」と名付けたガソリン直噴エンジンは、14.0という高い圧縮比と、アイドリングストップ機構「i-stop」を組み合わせることにより、30.0km/L(10・15モード)という、ハイブリッド車並みの燃費性能を実現した。それでいて車両価格は、同じ10・15モード燃費30km/Lのホンダ「フィットハイブリッド」より、約20万円低い。
SKYACTIVの中核となる直噴ガソリンエンジンの開発を推進してきたのは、2011年4月から執行役員としてパワートレイン開発本部長を務める人見光夫である。岡山県出身の人見は、東京大学工学部航空学科修士課程を修了し、1979年春に当時の東洋工業(現マツダ)に入社した。
すべてがSKYACTIVにつながっていた
マツダ執行役員 パワートレイン開発本部長 人見光夫氏
以下、『日経Automotive Technology』2011年9月号に掲載
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