「業界で世界一」、すなわち「売り上げ1.5倍」を目指して業務改革プロジェクトを進めているのが、紙製品の製造装置を開発・製造するA社である。前回(2011年7月号)までは、このプロジェクトの実行計画を策定するプロセスについて紹介してきた。今回は、その実行フェーズにおける取り組みについて解説する。
深掘り検討の結果を有効活用
A社のプロジェクトでは、「情報基盤〔BOM(部品表)・技術情報〕の構築と改革」が優先度の高い施策となった。この情報基盤の構築のために、改革を目指すべき業務シーンとそれに見合ったBOMの構成/種類を明確にしていった様子を紹介する。
実行フェーズに先立つ実行計画策定フェーズで行った深掘り検討は、計画を立案するに当たってのあるべき姿や、課題、実行施策を改革メンバー間で共有することにつながると前回説明した。実は、この深掘り検討の結果は、実行フェーズにおいても業務量や詳細内容を検討する際の一助となる。
情報基盤の構築では、まず同基盤の活用によって改革を目指すべき業務シーンを明らかにする。その上で、その業務シーンに見合った情報の活用単位やそれらの情報を管理する、BOMの構成/種類を決めていく(図)。
〔以下、日経ものづくり2011年8月号に掲載〕
O2 技術ディビジョン シニアコンサルタント
O2(http://www.o2o2.co.jp/)は、設計開発領域を中心としたエンジニアリング・チェーンを専門とするプロ集団。顧客企業の業務プロセス改革、高度な技術課題解決を総合支援。SDM、3D-DPRMなど独自の方法論を持つ。