新潟原動機(本社東京)、日立ハイテクソリューションズ(本社川崎市)、アルゴグラフィックスの3社は、製造現場向けの3次元データビューワ「AWM Viewer」を開発した(図)。ラティス・テクノロジー(本社東京)が開発した軽量3次元データ形式「XVL」のデータを表示できる。既存の「XVLplayer」(ラティス・テクノロジー)に比べて機能を絞り込み、頻繁に使う機能を大きなアイコンで画面上の目立つ所に置くなど、使い勝手を工夫した。

 AWM Viewerは2011年7月15日に日立ハイテクソリューションズとアルゴグラフィックスが発売した。日立ハイテクの業務手順書作成システム「XVL Assembly-Work Manager」のモジュールとして位置付けられており、XVLファイル格納場所を案内する機能(Windowsでのエクスプローラのような役割を持ち、1サイトに1本必要)が80万円、ユーザーのパソコンで動かす表示機能が1ユーザー当たり10万円という価格だ。

 ここで生じる疑問が、XVL playerという無料で利用できるビューワが存在しているのに、3社がわざわざ有料のビューワを、しかも機能を削る形で作ったことだ。なぜ、このようなものを開発したのか。背景には、製造現場での3次元データ利用がなかなか進まない実情がある。

〔以下、日経ものづくり2011年8月号に掲載〕

図●新潟原動機など3社が開発した「AWM Viewer」
操作ボタンの数を思い切って絞り込んだ。画面右に並ぶボタン群の中央に「最初に戻る」ボタンがある。