主役は大画面テレビではない

 「インターネットにつながるすべての機器で“テレビ”を楽しめるようにすればいい。ビジネスモデルは変えなくてもよく、視聴者から追加料金をもらう必要もない」。

 米メディア大手のTime Warner社 CEOのJeff Bewkes氏は、2011年6月14~16日に米国のシカゴで開催されたケーブルテレビ(CATV)関連の展示会「The Cable Show 2011」のパネル討論会で言い切った。同氏は米国で盛り上がる「どこでもテレビ(TV Everywhere)」と呼ぶ枠組みの提唱者。普及が著しいスマートフォンやタブレット端末で、テレビ番組の視聴環境を広げようと呼び掛けている。

 今回のCable Showは、家庭内や外出先でCATVコンテンツを視聴できる「どこでもテレビ」を実現するサービスや技術に沸いた。その主役は携帯端末だ。映像視聴と同時に、携帯端末をセットトップ・ボックス(STB)のリモコン操作や、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使った映像コンテンツの推薦に活用する動きが目立った。

『日経エレクトロニクス』2011年7月11日号より一部掲載

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