中国の中でも急速な発展を遂げている深圳市。経済特区に指定され、海外から多くの工場の誘致に成功して、上海市や広州市と並んで「世界の工場」の一角を担っています。経済が発展するに伴って人口も増え、今や1400万人を超える巨大な都市に成長しました。
ほんの数年前まで、この街は中国人はもちろん、日本人や韓国人などアジア人がほとんどを占めていました。それが今や、世界中の国々から人が集まる国際都市へと変貌を遂げつつあります。中でも目立つのは、南米系の人たちです。
地球の反対側から来る人々
これにより、中国のビジネスパーソンの言葉にも変化が見られるようになってきました。これまでは英語や日本語が中心でしたが、最近は「Hola(オーラ、やあ)」「Buenas tardes(ブエノス・タールデス、こんにちは)」「Gracias(グラーシアス、ありがとう)」といった言葉まで飛び交うようになってきたのです。そう、これらはスペイン語。商魂たくましい中国のビジネスパーソンは、中国市場での商売に飽き足らず、中国から見て地球のほぼ反対側にある南米市場の開拓に向けて動いているのです。
〔以下、日経ものづくり2011年7月号に掲載〕
技術者・海外進出コンサルタント