制御系と情報系を包含する車載Ethernet

 トヨタ自動車は、Ethernetをベースにした新しい車載LANインタフェース規格を策定した。ルネサス エレクトロニクスや米Broadcom社と組み、国際標準化に向けた活動も始めている。同規格に興味を示すドイツBMW社や米General Motors(GM)社などとも、今後協調していきたいとする。

 車載LANインタフェース規格にはボディ系や制御系、情報系といった適用するシステムに応じて、データ伝送速度の異なるCAN、LIN、FlexRay、MOST、1394 Automotiveなどがあり、多くが実用化されている。この中で、今回の「車載Ethernet」は制御系と情報系の両方をカバーする。トヨタ自動車は早期実用化を狙っており、「特に情報系については、ある車種への採用に向けて、量産部門との擦り合わせを開始した」(同社)という。

標準化を念頭に仲間づくり

 トヨタ自動車がEthernetの採用を検討し始めたのは2007~2008年。同社は2004年に車載LANインタフェース規格の標準化などを目指す団体「JASPAR」を設立し、国内の自動車メーカーや部品メーカーなどとFlexRayの機能向上などに向けて取り組んできた実績がある。これに対し、車載Ethernetについては「当時、どのメーカーも注目していなかったため、自社だけで検討を始めた」(トヨタ自動車)という。

『日経エレクトロニクス』2011年6月27日号より一部掲載

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