トピックの中心は二つのソフトウエア・プラットフォーム

 異例のイベントだった。米Google社が主催する開発者向け会議である「Google I/O」は例年、サーバー側のサービスの発表が中心だったが、2011年5月10~11日に米国サンフランシスコで開催された同会議は違った。基調講演のテーマは、1日目が組み込み向けソフトウエア・プラットフォームの「Android」、2日目がWebブラウザーの「Chrome」およびChromeを中心にしたWebアプリケーション特化型OSの「Chrome OS」で、いずれもクライアントで使われる技術の発表だったのだ。

 Androidに関しては多くの発表があった。新たな取り組みとして、Android搭載端末向けの周辺機器を誰でも自由に開発できるようにする「Android Open Accessory Development Kit(ADK)」が登場した。ADKは、周辺機器を動作させるのに必要なソフトウエアと機器試作などに向けた2枚組のボードから成る。オープンソース・ハードウエア「Arduino」をベースにした入出力ボードとセンサなどを搭載した付属ボードで、これらは日本のロボット開発企業であるアールティが提供する。ADKの発展形として、Google社は家庭内の機器をAndroidで統一的に制御するコンセプト「Android@Home」も披露した。

『日経エレクトロニクス』2011年5月30日号より一部掲載

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