世界最大の工作機械市場となった中国。「中国は一番大きなマーケットであり、どこまで成長するか想像もつかない。ここで力を入れるのは当然」(韓国Doosan Infracore社の中国現地法人でSales General Managerを務めるJohn Kim氏)というように、当然、海外の工作機械メーカーからの注目度は高い。一方で、中国の工作機械メーカーも着実に自前の技術力を高めてきている。

 有望ではあるが故に厳しい競争が待ち受けるその中国市場で、日本の工作機械メーカーがどうやって勝ち残っていくのか。「第12回中国国際工作機械展覧会(CIMT2011)」における日本メーカーの出展内容から、中国市場におけるニーズの変化と日本メーカーの戦略を読み解いた。

横型MCが売れ出した

 「2009年と比較して2010年に最も売り上げを伸ばしたのは横型マシニングセンター(MC)だ」。こう語るのは、オークマの中国現地法人である大隈机械(上海)の総経理である山本京一氏。同社は門型MCの最新機種「MCRBIII」とともに、2010年10月に発売した横型MC「MB-8000H」を出展した(図)。

〔以下、日経ものづくり2011年6月号に掲載〕

図●横型MC「MB-8000H」(オークマ)
大きさが800×800mmで積載質量が2tのパレットを持っており、MBシリーズで最大の機種だ。