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HOME日経Automotive Technology 2011年7月号 > 軽く安くする材料・加工技術 第29回

日経Automotive Technology 2011年7月号

軽く安くする材料・加工技術 第29回

ウエルドラインの出ない射出成形

  • 山下電気技術部技術開発課課長 吉野 隆治
  • 2011/05/17 12:37
  • 1/1ページ

 射出成形で、ゲートが2カ所以上あれば、必ずウエルドラインが出る。山下電気は金型にヒータを埋め込んで温度を制御することによってウエルドラインをなくすシステム「Y-HeaT」を開発した。すでに成形メーカーに納めて、改善に役立てている。

 射出成形で起こる典型的な不良がウエルドライン、通称ウエルドである。2カ所以上のゲートから樹脂を射出すると、それぞれのゲートから流れてきた樹脂同士がぶつかる。ゲートが1カ所でも、流路が分かれれば、“再会”する場所でぶつかる。
 ぶつかる直前、溶けた樹脂には粘性があるために、先端は横から見て丸みを帯びている〔図(a)〕。ぶつかると、まず中央部が接触し、接触面が上下に広がっていく〔図(b)〕。このとき上下に三角形のすき間ができる。この図では三角形だが、立体的に見れば断面が三角形のドーナツだ。 樹脂が両方から押されるにつれて、ドーナツは周囲に追いやられる。小さくなるが、なくなりはしない。樹脂の表面は金型に冷やされて硬くなってくるため変形は止まり、この空間がどうしても残る。
 これを表面から見たものがウエルドだ。かすかな“傷”のように見えるため明らかな不良であり、見た目を気にする製品では許されない。また、破壊の起点になる可能性があるため、強さの点からも避けたい。
 「見える、見えない」を現場で判断することは難しい。限界ゲージがあるわけではなく人間の主観が入るからだ。そのため、現場では客先の顔色を伺いながら安全を見込んでNGを出すことになる。結果として不良率が上がり、当然コストが上がる。

以下、『日経Automotive Technology』2011年7月号に掲載
図 ウエルドの原因
(a)左右から素材が迫ってくる。先端は丸い。(b)ぶつかると、中央から上下に向けて接触面が進むが、材料の粘性が高いと、最後sに三角形の部分が残る。