電気自動車などが搭載するインバータの損失を大幅に低減できるとして期待を集めるSiC製とGaN製の次世代パワー半導体。製品化が始まったが、広く普及させるには課題が残る。その課題は基板にある。今回は、GaNについて解説する。

 SiC(炭化シリコン)およびGaN(窒化ガリウム)を材料に使った次世代パワー半導体デバイスは、いずれもすでに製品化が始まっている。本格的な普及に向けて、順調なスタートを切ったといえるだろう。
 しかし、現在主役の座にあるS(i シリコン)製のパワー半導体を置き換える存在になるまでには、いくつかの課題を解決しなければならない。最大の課題はパワー半導体を作り込む基板の品質向上と低コスト化だ。
 前回は、SiCパワー半導体向け基板の現状と課題を説明した。今回はGaNパワー半導体向け基板について説明し、最後にSiCパワー半導体とGaNパワー半導体のすみ分けについて触れる。

以下、『日経Automotive Technology』2011年7月号に掲載