世界の電気自動車(EV)実証試験について発表する国際フォーラムがIEA(国際エネルギ機関)の主催によって上海で開かれた。主催国である中国は25都市で環境車の導入を促進する「十城千両」プロジェクトでEVを中心に位置付け、急速に市場への導入を図ろうとしている。

 上海モーターショーが開幕した2日後の4月21日、同じ上海でIEA主催の電動車両に関する国際会議およびフォーラムが開かれた。EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)の普及を協議する「第3回EVI(Electric Vehicle Initiative)」と、電動車両の実証試験に関するフォーラム「第1回International Forum on Electric Vehicle Pilot Cities and Industrial Development」である。
 EVIは、2020年までに全世界で累計2000万台のEV・PHEVを普及させることを目的に発足し、第1回会議は2010年10月にパリで開催した。3回目の今回は、世界各地のEV実証試験やEV導入の鍵となる電池やモータ技術を発表するInternational Forum on Electric Vehicle Pilot Cities and Industrial Developmentを併設した。
 初開催の同フォーラムには中国、米国、英国、ドイツ、日本、フランス、スペイン、ポルトガル、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、南アフリカ、インドから、政府、地方自治体、研究機関、自動車メーカー、自動車部品メーカー、2次電池およびモータメーカーが参加。参加者数は約500人に上り、EVI関連イベントとしては過去最大規模となった(図)。

以下、『日経Automotive Technology』2011年7月号に掲載
図 上海で開かれた第1回「International Forum on Electric Vehicle Pilot Cities and Industrial Development」
世界各都市での電動車両の実証試験に関するフォーラムの第1回会議を実施。