2011年3月11日に発生した東日本大震災から約3週間。エレクトロニクス関連企業にも震災の爪痕は深く残っており、操業再開のメドが立っていない工場も多い。そうした中、徐々にではあるが、復興に向けた動きが見えてきた。震災で停止していた東北・関東地方の工場の一部が再稼働するとともに、独自技術を生かして被災地の支援に乗りだす企業が出てきたのだ。

 もっとも、先行きを楽観視することはできない。部材不足の影響でエレクトロニクス製品の生産に支障を来す可能性が指摘され始めている。実際に、部材を確保できるまで操業を一時停止する工場も現れている。今後は、市場が急成長するスマートフォンやタブレット端末などの生産に影響を及ぼすことも考えられる。

インフラの復旧が進む

 震災からの復興を目指す工場の多くは、電力などのインフラが回復したことが契機となって操業を再開した。エルピーダメモリは、段階的に電力供給が開始されたことを受けて、組み立てやテスト工程がある秋田エルピーダメモリの生産を順次再開した。はんだを製造する千住金属工業の栃木事業所も、電力復旧に合わせて業務を再開している。

『日経エレクトロニクス』2011年4月4日号より一部掲載

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