金型の設計・製造プロセスの改善に取り組む企業が増えている。製品開発プロセスの効率化を進める上で、金型はボトルネックになりやすいからだ。

 金型は、金属や樹脂などの物理的な媒体に設計情報を“転写”するための道具だ。そのため、設計データや成形のノウハウといったさまざまな情報を集結して造らなければならない。だからこそ、製品開発のボトルネックになることが多い。

 一方で、金型に求められる要件は厳しさを増している。新興国市場の成長や新興国企業の台頭により、コストや納期の競争が一段と激しくなってきた。これまで、金型は試行錯誤が比較的許されていた分野だった。しかし、スピードが求められる今の時代に「試してみたがダメだったというのは、もはや通用しない」(アルプス電気MMP事業本部精密加工技術部部長の永松久伸氏)。金型についても設計・製造プロセスの改善が重要な課題になっているのだ。

〔以下、日経ものづくり2011年4月号に掲載〕