ものづくりのグローバル化が急速に進行する中、技術者や工場管理者などの「当事者」は何に壁を感じ、それをどう克服しようとしているのか。今回の調査で、そんなグローバル化の障壁について聞いたところ、興味深い結果が得られた。そこから浮かび上がってきたのが、日本のものづくりの弱点ではなく、むしろ長所の方だったからである。

 まず、実際にそのような壁があるのかどうかを聞いた。「日本人相手ではあり得ないようなコミュニケーション不足や、それによるトラブル発生を経験したか」との問いで、全体の61.6%の人が「ある」と答えた(Q1)。相手が外国人であるが故の障壁を、半数を超える人が認識していたのだ。

 背景にはやはり、グローバル化の拡大があるようだ。「5年前と比べて、海外企業との取り引きは増えているか」と聞いたところ、77.3%の人が「増えている」と回答(Q2)。「増減はない」(12.3%)、「減っている」(3.1%)を大きく上回った。

〔以下、日経ものづくり2011年3月号に掲載〕

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