棚澤八光社(本社大阪府東大阪市)は、射出成形用金型の内側に加工を施し、樹脂成形品のツヤを鏡面光沢度0.1程度まで抑える技術「セラマット」を開発した(図)。直径20μm程度の微細な粒状のセラミックスを金型の表面に吹き付け、焼成して固定する技術で、端的にいえば金型表面にセラミックス粒子を含む膜を張るものといえる。

 既存のシボ加工との両立が可能であり、併用することでウエルドラインなどが見えにくくなり、塗装(レタッチ)などで修正する必要が大幅に減る。結果として、コスト低減につながる。既に自動車の内装部品で、5万ショット程度の量産実績があるという。

〔以下、日経ものづくり2011年3月号に掲載〕

図●「セラマット」を用いたABS(a)とPP(b)の試験成形品
上半分が通常のシボ+サンドブラスト処理。下半分にセラマット加工を施した。数値は鏡面光沢度。