テレビとインターネットの真の融合を目指す「次世代ネット・テレビ」が,2011年に続々と登場しそうだ。Google社とソニーらが共同で開発した「Google TV」は,この分野の先行例である。こうした高機能なテレビが市場で広く受け入れられるには,これまでにない優れたユーザー体験(UX)を提供する必要がある。そこで本誌は今回は,ネット・テレビ関連の製品デザインで多くの経験を持つ米国企業に,Google TVのUXの評価を依頼した。

Logitech社の「Revue」の構成要素

 2011年1月初頭に米国ラスベガスで開催された,家電関連の展示会「2011 International CES」の主役の一つは,日韓の大手メーカーが出展した「次世代ネット・テレビ」だった。

 韓国Samsung Electronics Co., Ltd.は,この次世代ネット・テレビに向けたプラットフォーム「Samsung Smart TV」を披露した。同社は,2011年に発売する40型以上のテレビにこれを載せる。同様に,韓国LG Electronics Inc.は「NetCast 2.0」,パナソニックは「VIERA Connect」と呼ばれるプラットフォームをCESで公開した。両社は,それらを搭載した製品を2011年春に市場投入する。

 既にソニーが2010年10月に,同社や米Google Inc.,米Intel Corp.などが共同開発したテレビ向けのソフトウエア・プラットフォーム「Google TV」を搭載したテレビを米国で発売している。スイスLogitech International S.A.も,同時期にGoogle TVに対応したセットトップ・ボックス(STB)「Logitech Revue」を市場に投入した。

 もっとも,次世代ネット・テレビが市場にすんなりと受け入れられるかどうかは未知数だ。機能が大幅に増え,使い方も従来とは大きく異なるからだ。そこで重要なポイントになるのは,ユーザー・インタフェース(UI)の完成度を含めて,優れたユーザー体験(User Experience:UX)を提供できるかである。

 今回は,Google TVに対応したLogitech社のRevueを取り上げる。そのUXの評価を,ネット・テレビ関連の製品設計で長年の経験を持つ米StageTwo社に依頼した。

『日経エレクトロニクス』2011年2月7日号より一部掲載

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