モータ駆動部にSiCを利用

 安川電機は,SiC製パワー素子を利用した電気自動車(EV)向け走行システムを試作した。同システムは走行モータとその駆動部から成る。この駆動部にSiC製パワー素子を用いることで,従来品と比べて,駆動部の体積を半分以下にした。

 今回の試作品は,既に製品化されている安川電機の電動車両向け走行システム「QMET(クメット)」をベースにしたもの。モータやインバータ装置などの大手ベンダーである同社が,実際の走行システムにSiC製パワー素子を適用したとあって,試作品を披露した「第2回 EV・HEV駆動システム技術展」のブースには,多数の来場者が詰めかけた。

 QMETのモータ駆動部は,モータの回転速度に合わせて巻き線を切り替える回路と,インバータで構成する。この巻き線切り替え回路は,安川電機の独自技術。この技術により,低速から高速までの速度領域全般で,高効率な走行が可能になるという。

『日経エレクトロニクス』2011年2月7日号より一部掲載

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